泥にまみれても
"約束を守る"という事を
最初に聞いたのは
保育園に通っていた時だろうか。
今まで僕が生きてきて
多くの事を大人たちから聞いてきたけれど
思春期を通り抜ける過程で
その多くは矛盾を孕むモノであったり
建前であったりする事を実感してきた。
それでも
"約束を守る"と言う事は
その過程を経ても揺るぎない強度を保っている。
だから守れることは当然のことであり、
守れないことで強烈な後悔と反省を感じてしまう。
毎日の生活の中で
人と関わっていく以上
多くの約束を交わしていく。
そのレベルは口約束であったり
文書での約束であったり
暗黙の約束事であったりするけれど
その方法に対する意識の違いに関係なく
約束は約束であって
それ以外の何者でもないと思っていた。
しかし、どうやら自分達が生きる状況において
仕事の現場と言うのはそうではないらしい。
仕事をライフワークと捉える人にはそうとも言えないが
仕事を飯の種と考える人程
約束と言うのは
自分に都合が良い約束だけであり、
そうで無い事は守るべきことではないらしい。
仕事を続けると言う事は
そういった事とも上手くつき合う事なのだろうけれど
僕には分からない。
その先に何があるのか、全く分からない。
守れないのと守らないのは違いがあり、
守れないなりの説明責任があるものだろう。
自身の子供に約束を守る事を説き、
自身は守らない。
僕はあの裁断屋を忘れない。
僕は泥にまみれて汚れても
あの醜さは決して持たない。
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